Tight Hip Flexors – Stretch or Strengthen?
股関節の前側に「詰まり感」や「張り」を感じたことはありませんか?
多くの方は、その違和感を和らげようとして、まずストレッチを試みるはずです。
しかし、ストレッチをしても一時的に楽になるだけで、すぐ元に戻るという経験はありませんか?
もし長期的な改善を目指すのであれば、単に伸ばすだけでなく、鍛えることが必要な場合があります。
この張り感の根本原因は、股関節屈筋群の「弱さ」にあるケースが非常に多いのです。
股関節屈筋とは?
股関節屈筋とは、太ももを体幹(お腹・胸)に引き寄せる動きを担う筋肉群です。
中でも最も重要なのが腸腰筋(ちょうようきん)です。
腸腰筋は以下の3つの筋肉から構成されます。

- 大腰筋(psoas mayor)
→ 腰椎(背骨)に付着 - 腸骨筋(iliacus)
→ 骨盤に位置し、大腿骨(太ももの骨)に付着 - 小腰筋(psoas menor)
→ 小腰筋は、腰椎の下部(T12およびL1の椎体)から起始し、
腸骨(骨盤の内側の部分)にある腸骨稜(腸骨の上縁)に付着します。
この2つが合わさって、強力な股関節屈曲筋として機能します。
その他にも、
- 大腿直筋
- 縫工筋
- 大腿筋膜張筋
- 一部の内転筋群
などが股関節屈曲に関与しています。
なぜ股関節屈筋は硬くなるのか?
股関節屈筋の張り・硬さは、現代人に非常に多い症状です。
その最大の原因は、長時間の座位姿勢です。
特に影響を受けやすいのは以下のような方です。
- デスクワーク中心の仕事
- 長距離ドライバー
- ゲーム・スマホ時間が長い方
- いわゆる「座りっぱなし」の生活習慣

座っている間、股関節屈筋(特に腸腰筋)は短縮された状態のまま使われず、
その結果「硬い」「詰まる」という感覚が生じます。
重要なのは、
短縮されている=強い、ではないということ。
筋肉は本来、全可動域で使われてこそ正常に機能します。
身体は動くように設計されているため、長時間同じ姿勢を続けること自体が問題なのです。
硬くて弱い股関節屈筋が引き起こす影響
股関節屈筋の硬さや弱さは、違和感でとどまりません。
- 腸腰筋は腰椎に付着しているため
→ 腰痛を引き起こしやすい - 股関節屈筋が弱いと
→ ハムストリングスや臀筋がうまく働かなくなる - その結果
→ ハムストリングス肉離れ
→ 鼠径部痛
→ 大腿四頭筋の張り・痛み
など、代償動作によるケガのリスクが高まります。
股関節前の張りには何をすればいい?
結論として、ストレッチと筋力強化の両方が重要です。
特に効果的な強化エクササイズには以下があります。
- Psoas March(立位/仰向け)
- Dead Bug(デッドバグ)バリエーション
- 座位での股関節屈曲(体幹を垂直に保った状態)
- スライダーを使ったリバースランジ

これらはあくまで一例であり、
状態や目的によって最適なエクササイズは異なります。
股関節の張りが強い場合は、
理学療法士・整体師など専門家の評価を受けることをおすすめします。
ストレッチの役割
ストレッチは決して無意味ではありません。
ただし、ストレッチ単独では短期的な効果に留まりやすいのが現実です。
- 筋力強化 → 機能回復
- その後にストレッチ → 柔軟性維持
この順序を意識することで、
張り感の再発を防ぎやすくなります。
✏まとめ
股関節前側の張りを感じたら、
「とりあえず伸ばす」だけで終わらせないでください。
- ストレッチ:短期的な緩和
- 筋力強化:長期的な改善
この両輪がそろって、初めて身体は変わります。
専門家の指導のもとで、
正しく股関節屈筋を使い、鍛え、整えていきましょう。

動ける身体は、正しく使うことから始まります。










