理学療法士は、運動機能が低下している方や身体に障がいを持つ方に対してリハビリを行い、自立した生活をサポートする専門職です。
海外では理学療法にピラティスを取り入れることが一般的となっており、日本でも導入するケースが増えています。
そのため、理学療法士として働きながらピラティスの資格取得を目指す方も増えてきました。
資格を取得することでリハビリに新しい方法を取り入れられ、働き方の幅を広げることも可能です。
本記事では、理学療法士がピラティスの資格を取得するメリットや、おすすめの資格団体について解説します。
理学療法とピラティスはどのような関連がある?

ピラティスはもともと兵士のリハビリとして開発され、理学療法と共通する要素が多いエクササイズです。
インナーマッスルを鍛えて姿勢や動作を改善するため、理学療法のリハビリプログラムに組み込むことで、慢性的な痛みの緩和や術後回復のサポートが可能です。
海外では、理学療法士がピラティスを取り入れるケースが増えており、アメリカでは専用のリハビリマシンが普及しています。
また、日本でも理学療法士によるピラティス指導が広まりつつあります。
ピラティスを学ぶことで、患者の運動機能改善や痛みの緩和をサポートできるほか、ピラティス業界でも専門知識を持つインストラクターとして活躍するチャンスも広がるでしょう。
理学療法士がピラティスを習得することのメリット4選

理学療法士がピラティスを学び、取り入れることはリハビリテーションにおいてとても効果的。
主なメリットは以下のとおりです。
- 1.運動療法に取り入れられる
- 2.知識や高いスキルが身につく
- 3.就職や転職での強みになる
- 4.働き方の選択肢が増える
それぞれ詳しく解説します。
1.運動療法に取り入れられる
ピラティスを学ぶことの大きなメリットの1つは、運動療法に活かせること。
ピラティスはインナーマッスルを鍛え、姿勢や動作の向上を促進するためリハビリや機能回復のアプローチとして有効です。
また、呼吸や体幹の安定性を重視するピラティスの理論は、歩行訓練やバランストレーニングなど、理学療法のさまざまな場面で役立ちます。
2.知識や高いスキルが身につく
理学療法士がピラティスを治療に取り入れることで、リハビリの質が一段と高まります。
ピラティスは身体の柔軟性や筋力、バランスを向上させることを目的とした治療法であり、心身ともに健康な状態を目指すエクササイズです。
痛みや不調を単に和らげるだけでなく根本的なアプローチを提供することで、身体の機能全体を見直すことができます。
また、もともとピラティスはリハビリのために開発されたエクササイズ。
理学療法士がそのエクササイズを学ぶことで、さまざまなリハビリのアプローチを習得でき、患者に合わせたプログラム作成の知識を身につけることも可能です。
ピラティスの資格取得は、理学療法士としてのスキルを向上させる助けとなるでしょう。
3.就職や転職での強みになる
ピラティスの資格を取得することで、就職や転職の選択肢が広がるという点も大きなメリットです。
病院やリハビリセンター、福祉施設に加えてスポーツジムやスタジオなど職場の選択肢が増えるため、転職活動がスムーズに進む可能性があります。
さらに、リハビリだけでなく「予防」や「コンディショニング」といった分野にも対応できるようになり、専門性の高いスキルを持つことで評価されやすくなります。
4.働き方の選択肢が増える
理学療法士は病院や介護施設での勤務が一般的ですが、ピラティスの資格があればより多様な働き方が可能になります。
たとえば、フィットネススタジオでの勤務や、ピラティスインストラクターとして独立して活動することも可能です。
このように資格取得によってキャリアの選択肢が広がることも大きな利点であると言えるでしょう。
ピラティスの資格について

ピラティスの資格は、主に「マット」・「マシン」・「マット+マシン」の3つに分類され、それぞれ指導内容や対象が異なります。
資格を取得するためには専門コースの受講が必要で、団体によってカリキュラムや認定基準が異なるため、選択肢が豊富です。
医療や保健系の資格を持っている場合、一部の講座が免除される場合もあります。
目的に応じて自分に合った資格を選ぶことが重要です。
ピラティス資格を取得するための2ステップ

ピラティスの資格を取得するには、まず必要な教育を受け試験を受けて合格する必要があります。
まずは自分に合った資格を選び、取得に必要な条件をクリアすることから始めましょう。
資格取得に向けた2ステップを解説します。
1.どの資格を取るか選ぶ
先述のとおりピラティスの資格には、「マット」・「マシン」・「マット+マシン」の3種類があります。
マットピラティスはマットの上で行うエクササイズを中心に学ぶもので、特別な器具を使わずに自分の体重を利用して筋力や柔軟性を向上させることが可能です。
一方マシンピラティスは、リフォーマーやキャデラックなどの専用器具を使って行うエクササイズで、より多様な動きや負荷を加えることができるため、とくにリハビリや体の調整に効果的。
資格を選ぶ際には受講内容やスケジュール、費用を考慮することも大切です。
受講内容には基礎的な理論や解剖学、指導技術などが含まれますので、自分がどのような知識やスキルを身につけたいのかを明確にしてから資格を選びましょう。
2.必要な講座を受けて試験に合格する
資格を取得するためには、各団体が提供する講座を受講する必要があります。
団体によっては通学形式やオンライン形式の講座があり、自分の学習スタイルに合わせて選ぶことが可能です。
講座を修了した後は認定試験に合格することで資格を取得できますので、試験に向けて計画的に学習を進めましょう。
おすすめのピラティス資格3選
ここからは、ピラティス資格を取得する際におすすめの団体を3つ紹介します。
- リボーンピラティス
- PHIピラティス
- BASIピラティス
それぞれ詳しく解説します。
リボーンピラティス

リボーンピラティスは、歴史と実績のある韓国最上位のピラティス教育機関であり、世界最高水準のカリキュラムで、これまで4,000人超える講師を輩出しています。
この団体は「人生を変えるピラティス」を目指して講師の教育に力を入れており、解剖学に関する知識やスキル、指導力を身につけることができます。
コースのすべてに「機能解剖学」「マットピラティス」「小道具を用いたピラティス」のカリキュラムが組まれていることも特徴の1つです。
幅広い知識や技術を身につけられるため、リハビリや理学療法にも役立つでしょう。
PHIピラティス
PHIピラティスはアメリカのピラティス団体で、インストラクター向けのコースと特別なプログラムを提供しています。
医療・保健系の国家資格を持っている方は、基本講座が免除されリフォーマーコースから受講が可能です。
各コースを修了するとインストラクター資格が取得でき、さらに国際資格の受験資格を得られるコースも用意されています。
BASIピラティス
BASIピラティスは、アメリカで生まれたピラティスインストラクターの養成プログラムです。
日本を含む40以上の国で展開されており、国際的に認められた品質と指導法を提供しています。
BASIピラティスの特徴は、一般的なインストラクター資格コースのほかに理学療法士や作業療法士など、医療従事者向けに特化したコースも提供されていることです。
理学療法士や作業療法士などが参加できるこのプログラムでは、患者の健康管理におけるピラティスの活用方法を詳しく学ぶことができます。
ピラティス資格でスキルアップや働き方の幅を広げよう

ピラティスは理学療法と共通する要素が多いエクササイズです。
ピラティスについて深く学び、資格を取得すれば理学療法士として運動療法に役立つスキルを身につけたり、就職や転職において有利になる可能性があるなど、いくつかのメリットがあります。
ピラティス資格にはさまざまな団体や種類があるので、それぞれの特徴をしっかりと比較し、自分に合った資格取得を目指しましょう。