ピラティスを続けていくと、体幹が安定したり、姿勢が整ったりと、身体の内側からの変化を感じられるようになります。一方で、「ちゃんと続けているのに、見た目がなかなか変わらない」と感じる方も少なくありません。
筋肉そのものは育っていても、その上に脂肪の層があると、ボディラインの変化までは見えにくいもの。そして見た目の変化が感じられないと、モチベーションが続かず、せっかくの習慣が途切れてしまうこともあります。だからこそ私は、運動と食事を「セット」で考えることをおすすめしています。
はじめにひとつだけ。
私はピラティスの指導者であって、栄養士ではありません。ここで書くことの多くは、私自身が試してきた経験から「自分にはこう合っていた」という個人的な感想です。医学的・栄養学的な指導ではないので、ご自身の体調や生活に合わせて、心地よいと感じる部分だけ取り入れていただければと思います。
ピラティスと食事が関係する理由
運動と食事は、心理面でも身体面でもつながっています。
ひとつは、モチベーション。ボディラインが少しずつ変わっていく実感は、続けるための大きな後押しになります。
もうひとつは、代謝。筋肉の質が高まると、基礎代謝(何もしていなくても消費されるエネルギー)が上がりやすくなります。同時に、食事を整えていくと、身体は摂ったエネルギーを「脂肪をためる」より「筋肉を育てる」方向に使いやすくなっていきます。
つまり、運動と食事はお互いを高め合う関係。だからこそ、片方だけでなく両方をゆるやかに整えていくのが理想です。
極端な制限より、バランスを
世の中には、糖質制限、ファスティング、スムージー置き換えなど、さまざまな食事法があります。私自身もいくつも試してきましたが、正直なところ、多くは生活を窮屈にしてしまい、長く続けにくいと感じました。
こうした方法が注目されやすいのは、「これさえやればいい」という分かりやすさがあるから。でも、分かりやすさと、無理なく続けられることは、必ずしも同じではありません。
私がたどり着いた結論は、いたってシンプルです。特別なルールやカロリー計算に縛られず、バランスのとれた食事を、ゆるやかに続けること。これがいちばん心地よく、結果にもつながりやすいと感じています。
食べる「量」の考え方
量については、難しく考えなくて大丈夫。次の3つを目安にしてみてください。
- 1日3食にこだわりすぎない。お腹が空いていなければ、体調や生活リズムに合わせて軽くしてもOKです。
- 満腹まで食べず、「もう少し食べられるかな」という腹八分目の少し手前で一度手を止める。そして10分待ってみる。意外と「もう十分」と感じることが多いはずです。
- 手のひらを目安にする「じゃんけん方式」で、1食のバランスを整える。
✊ グー 握りこぶし1つ分 → 炭水化物
✌️ チョキ 指2本+握りこぶし1つ分 → タンパク質
✋ パー 手のひらに広がるくらい → 野菜
食べる「内容」の考え方
何を食べるかも、ざっくりこの3つを意識すれば十分です。
- 炭水化物:できれば半分以上を「複合炭水化物」に。精製された白い糖質より、玄米や全粒粉など未精製のものを増やすイメージです。
- タンパク質:脂質の少ないタンパク質を選ぶのがおすすめ。豆腐や大豆製品、魚、鶏肉などをバランスよく取り入れてみてください。
- 野菜:とにかく「いろいろ」がポイント。濃い緑、赤・オレンジ、豆類、根菜類など、グループをまたいでローテーションすると、自然と栄養バランスが整います。
間食・スムージー・お酒・水分について
無理に我慢するより、上手につき合うほうが続きます。
間食:本当に空腹なときは、我慢しすぎなくて大丈夫。ただし1日の量は決めておくのがコツです。ナッツならひと握りまで(アーモンドやくるみがおすすめ)、ゆで卵やタンパク質系の飲みものも◎。砂糖入りのお菓子やスナックは、できるだけ控えめに。
スムージー:ダイエット目的なら、実はあまりおすすめしていません。噛む工程が省かれると満足感が続きにくく、果物の糖分も摂りすぎやすいからです。果物や野菜は、できれば「そのまま噛んで食べる」のが理想。飲む場合は食事の代わりにして、甘い果物は1種類までにとどめると安心です。
お酒:お酒も、ゼロにする必要はありません。ただカロリーは高めなので、飲んだ翌日は軽めに整えるくらいの意識を。週1〜2回まで、炭酸水を挟みながら2〜3杯まで、甘い割りものは避ける。このあたりを目安にすると、楽しみながらバランスを保ちやすくなります。
水分:いちばんシンプルなのが水分補給です。基本は水で、甘い飲みものや果汁は控えめに。味が欲しいときは、レモンやグレープフルーツを少し搾ったり、ミントやカモミール、生姜、麦茶などを取り入れてみてください。
ピラティスの前後の食事
レッスン前は、空腹すぎてもお腹が張っていても集中しにくいもの。軽めでタンパク質を含む食事を、レッスンの90分ほど前までにとっておくのがおすすめです。そして水分補給も忘れずに。筋肉は水分が足りないと、力も回復もうまく働きません。
レッスン後は、「がんばったご褒美」とつい食べすぎてしまわないように。必要に応じて、軽めのタンパク質で身体の回復をサポートするくらいが、ちょうどよいバランスです。
体重の変化は、ゆっくりでいい
最後に大切なのが、結果を急がないこと。短期間でストンと落ちた体重は、その多くが水分で、戻りやすいものです。身体が新しいリズムに慣れるには時間がかかるので、はじめのうちは大きな変化が見えなくても大丈夫。
体重は、しばらく横ばいが続いたあとに少し動く——という「階段状」の変化をすることがよくあります。停滞している時期は、身体が調整している準備期間。焦らず続けることで、変化はあとからついてきます。目安としては、1ヶ月に1〜2kgくらいのゆるやかなペースで十分です。
まとめ — 運動と食事を、一緒に整える
ピラティスと食事は、どちらか一方ではなく、セットで見直すことで、身体の変化を感じやすくなります。
- 運動の効果は、食事を整えることで心理的にも身体的にも引き出される
- 量は「腹八分目の少し手前」「10分ルール」「じゃんけん方式」でゆるく管理
- 内容は「複合炭水化物」「脂質の少ないタンパク質」「いろいろな野菜」を意識
- 甘い飲みものは控えめに、間食とお酒は上手につき合う
- 結果は急がず、ゆっくり整える
完璧を目指す必要はありません。今日の食事から、ひとつだけ。そんな小さな見直しが、ピラティスの効果をいちばん心地よく引き出してくれます。まずは無理のないところから、運動と食事を一緒に整えてみましょう。
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